めくるめくイスラーム神秘主義音楽!
遂に来ましたこの日が!
毎週木曜、パキスタンにおけるいくつかの聖者廟ではカッワーリーやダマール(ダンマール)と呼ばれるイスラーム神秘主義音楽の宴があります!
ラホールにおいてカッワーリーはダータ・ガンジ・バフシュ・ハジュベリという聖者廟で午後の3時ごろから見ることができます。カッワーリーとはイスラームの神秘主義歌謡のことで、アラーやムハンマドなどを称える内容の神秘詩を器楽演奏とともに歌う宗教歌謡です。
ダータ・ガンジ・バフシュ・ハジュべリの様子。あまり建物が映ってないですが…(笑)アナール・カリー・バザールをさらに先に上ったところにあります。入り口が複数あり、外国人が入れるゲートは決まっているみたいです。
廟の周辺にある貢納品のお店。聖者廟の周りには聖者に捧げるための布やお菓子などが売っています。なんだか日本のお墓参りみたいですね。
中に入って行くと地下にはこんな広場が!
3時ごろになるとだんだんカッワーリーを見に来た人たちが集まり始めます。
カッワーリーが始まりました。主催者と思わしき人たちがステージのすぐ前のところに控えて、進行や盛り上がりを考えながら、演奏家たちに指示を出して演奏の時間を決めて行き、約三時間の公演の間に十数組の演奏家たちが登場し、それぞれの演奏を披露して行きます。
演奏家たちは盛り上がるにつれてジェスチャーも大きくなってゆき、腕を振り上げたり、体全体で音楽を表現します。その演奏に酔った人々は立ち上がって踊りだしたり、頭を振りながらトランスを始めます。
演奏家たちが良い演奏を聞かせると主催者や聴衆は演奏家たちの演奏を称え、お金も勢い良くばら撒き始めます。
すべての演奏家たちの演奏が終わると全員でお祈りをして終了。さすがに3時間を越える演奏をずっと聴いているのは疲れますが、良い体験になりました!
そして同じく木曜の夜からは同じくラホールにあるシャー・ジャマールという聖者廟ではダマールと呼ばれるイスラームの神秘主義舞踊を見ることができます。
聖者廟には納まりきれないほどの人たちが集まり、ぎゅうぎゅう詰め状態。ただでさえ暑いのに集まった人たちの熱気でものすごい暑さです。ダマールが始まる前からはやし立てる声やタバコの煙で異様な雰囲気に包まれています。
入りきらず、入り口付近で立ち見をする人々。
ドールワーラーの登場。ダマールではドールと呼ばれる両面太鼓が使われ、その演奏家のことをドールワーラーと呼びます。
演奏は2人一組で行われ、パートもリズム・ドールとリード・ドールとにそれぞれ分かれています。
写真の人物は左がグンガ・サイーン、右がミトゥー・サイーンという演奏家でパキスタンではとても有名な演奏家です。実物を目にすればわかりますが、登場したその瞬間からものすごい存在感とオーラがあります。演奏も力強くブレがなく、いやでもテンションが上がります!
この日はサックスとのコラボ!
しかし、写真を撮っていると目にゴミが入ってしまい、コンタクトレンズを片目だけ外さなければならず、目の痛みと煙草の煙で目が乾くし、涙が出るし、ぼやけてぜんぜん見えないという最悪の状態で根性で写真を撮り続けました。
ドールの演奏にあわせてトランスする人々。恍惚舞踊と呼ばれる所以です。
途中停電があったりめちゃくちゃですが、演奏はそのまま続き、この後、廟の外にある広場でダマールをはじめます。
この時点ですでに午前2時。いったい何時まで続くんだ…
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