WORLD BEAT 2008終了!

こんばんは。編集長です!

プランクトン主催WORLD BEAT 2008のイヴェントすべて終了しました。

7月6日(日)の日比谷野外音楽堂に始まり、7月8日、9日には渋谷DUO Music Exchangeで、BALKAN BEAT BOX,THINK OF ONEの単独公演がそれぞれ行われました。

まずは、8日BALKAN BEAT BOXの単独ライヴ!

ライヴハウスを“ダンスフロアー”に変えるバンド、BALKAN BEAT BOX

個人的に渋谷DUOに行ったのが、ちょうど一年前の今頃で、そのときはインドはラージャスターンから来たジプシー芸能集団こと「ムサーフィル(アラビア語で旅人の意)」の公演だ。

やはり音響的に評判がいいのか、渋谷DUOでこういった海外のアーティストが公演をする機会は多いよう。

さて、BALKAN BEAT BOXのライヴはと言うと…
基本的には野音でのWORLD BEATのセットリストと同じで、野音ではやらなかった数曲を加え、約2時間のセットに組みなおしたものだった。

野音では持ち時間が約40分と言うこともあってかとにかく観客を盛り上げるパフォーマンスに徹していたが、その姿勢は変らずヴォーカルのTomerは最初から最後までとにかくハイテンション!ステージに登場するかと思いきや、観客全員の予想を裏切り、フロアーに生演奏をしながら登場!観客のヴォルテージも増したところで、一気に自分たちの音楽世界に飲み込んでいく。

やっぱりライヴハウスではっきり音を聴くことができて気がついたんだけど、BALKAN BEAT BOXはグルーヴが半端ない!野音のときもそうだったけど、老若男女関係なく、とにかくみんな踊らずにはいられない。そのグルーヴを作る要になってるのがベースギター。指の運び自体はそんなに激しいものじゃないんだけど、まずベースの音がまるでその弦のように丸くて、弦楽器らしくピョンピョン跳ねてる。レッチリみたいなミクスチャーバンドのようにベースもしっかりと弦楽器の一つとして自己主張してる。そこにバルカンの独特な変拍子やうねる様なベースラインが乗っかって体が反応せずにいられないんだろうなぁ。

そしてなんといっても、ヴォーカルTomerのパフォーマンス力には脱帽…!しっかりお客さんの心を掴んで話さない歌と愛嬌の溢れた動き、そしてモヒカンヘアーにはつい目が行ってしまう。でも、元々俳優もやってたんだってさ。
Tomerが“Everybody,Jump!!”と叫べば、お客さんみんながJump!“Clap your hands!!”と叫べば会場中に手拍子がこだまする…あんなにたくさんの人がジャンプする光景を初めて見た…!!
野外では出し切れなかったでろう、BALKAN BEAT BOXの全貌をまざまざと見せつけられたすばらしいライヴだった!

NU-MADE[Remixes & Videos](DVD付)

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http://www.balkanbeatbox.com/




続いては、9日THINK OF ONEの単独ライヴ!

BEATの意味から再考させられる新しいワールドミュージックの形

2004年にはフジロックフェスティヴァルにも出演したTHINK OF ONEの単独ライヴ。今回はモロッコ演奏家、Abdelkebir Ben Salloum、Amina Tcherikich、Lalabrouk Loujabeの3人を迎えたモロッコ音楽プロジェクト「CAMPING SHAABI」。

なんで「キャンピング」かって言うと、THINK OF ONEのメンバーがキャンピングカーで生活をしていたから。そんでもって、「シャアビー(Cha'bii)」というのはモロッコの大衆音楽という意味。(純粋な字義的には「大衆の」とかそういう意味みたいだけど…)。
更にGnawa(グナーワ)もミックスした、モロッコ音楽とヒップホップ、プログレetc,etc…を取り込んだまさに新しい形のワールドミュージック

そんな彼らのライヴは、確かにプログレッシヴと呼ばれるに相応しいというか、なるほど確かにそう形容されるよなぁと思わず納得させられる。

ありがちな中途半端な表面のみの取り込みではなく、実際にGnawaで使われるモロッコ楽器も勢ぞろい!

●Sintir(Hajhuj,Guinbri…となぜか同じ楽器なのに色々な呼び方がある。これはやっぱり植民地支配とか人種の移動の激しさや東西の交流と関係あるのだろうか?)
…これは3弦の長い棹をもつリュートのような弦楽器です。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/09/Nuru_Kane_Guimbri.jpg
●Qraqeb(Qraqesh,Qarqaba)…金属カスタネット
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/e/e0/Karkebs.JPG
●Tabl…両面大太鼓。これがインドの古典楽器ドールにそっくりで、しかも使う撥も形状がほぼ同じです。一つは普通のスティックで、もう一つは先が曲がっています。
●Bendir…大型枠太鼓、いわゆるフレームドラムと呼ばれるやつ。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/69/Bendir.jpg

あとはタンバリンやらDarboukaと呼ばれる片面太鼓やら、サックスやトランペット、ヴァイオリンも民族楽器として使われているようです。

ちなみにモロッコの楽器はWORLD BEATの当日に成田に着いたという…!

さてさて、いい加減ライヴはと言いますと、こちらも基本的には野音のときと同じセットだったけれども、やはり時間が格段にあるのでアンコールも含めて全12曲を演奏。

THINK OF ONEの楽曲はやっぱり基はロックなんだけど、単なるタテノリじゃないのが面白い。最初4分の2拍子とか8分の6拍子なんかがGnawaの基本のリズムで、途中強調的に4分の4拍子に6拍子が混じってくる。これなら確かにプログレと呼ばれるのにも納得。お客さんを見ていても、横に揺れながら心地よさそうに音楽に乗ってる。

パフォーマンスは派手じゃないんだけど、すごく気持ちよくライヴを見ていられる。そんな中にもやっぱり楽曲の緩急は考えられていて、Abdelkebirがステージに登場し、観客を盛り立て、AminaとLalabroukも観客に手拍子を促すと会場も一体となる。
少し面白かったのは、野音の時にはジャンプのパフォーマンスは確かなかったと思うんだけど、今回の単独ライヴではノリノリのところでメンバーもジャンプするし、BALKAN BEATよろしくお客さんにもジャンプを促す。よくよく考えると前日のBBBの単独ライヴも見に来てたし、その盛り上がりも知ってるから彼らもそれを欲しがったんだろうなぁ。やってる音楽がそもそも違うからそれはちょっと違うんじゃないかなぁ…と個人的には思ったけれども、確かにBBBのあのライヴパフォーマンスと盛り上がりを見せつけられたら、そうしたくなるのもわかる気がする(笑)そんなところが見え隠れした気がしてものすごく親近感がわきました。

やっぱりモロッコ組のGnawa演奏は良かったなぁ。Sintirの音はなんだか津軽三味線みたいなんですよね。全然音は低いんだけど、弦を爪弾くときの残響とかが似ている気がします。そしてTHINK OF ONEのベースはBBBとは対照的に平らな音色で、その上にその他の楽器が乗っかるからすごく安定して聴こえる。そしてキーボードとサンプリングの使い方がうまいなぁ。あまりにもしつこく使いすぎるとやっぱりくどくなってしまう気がするし。BBBの鶏の鳴き声は一体何回聞いたことやら…(笑)

あとAbdelkebirの動きを見ているとインドのジプシーを思い出すんだよね。やっぱりつながってるんだなぁ。最後には謎の言葉の掛け合いもあってとにかく楽しめた。

キャンピング・シャアビ

キャンピング・シャアビ

http://www.thinkofone.be/